上映当時、映画好きにけっこう話題となった『テルマ&ルイーズ』。自由奔放に生きるヒロイン2人がカッコよく、おしゃれでちょっぴり過激な感じが時代とシンクロしていたのでしょう。ちょい役で出演している今や大スターのあの人の若かりし頃と、過激なラストシーンは必見です。
テルマ&ルイーズのあらすじ
『テルマ&ルイーズ』はリドリー・スコット監督による1991年のアメリカ映画作品です。リドリー・スコットといったら、『エイリアン』や『ブレードランナー』を撮った監督であり、『テルマ&ルイーズ』以降も『グラディエイター』や『ハンニバル』、『オデッセイ』なんかも撮っている巨匠ですね。
『テルマ&ルイーズ』のあらすじを簡単に説明すると、
親友である専業主婦のテルマ(ジーナ・デイヴィス)とウエイトレスのルイーズ(スーザン・サランドン)は、退屈で不満な毎日を送っていた。そこで気分転換にとオープンカーでドライブ旅行に出かけたのだが、その先でトラブルに見舞われ、思わぬ事件に発展。楽しい旅が逃避行へと化していく…。
といった内容のロードムービーです。
一見、暗い展開に流れていくのかと思いきや、自暴自棄ながらも、いまを楽しんでいく二人。この絶望感とともに自己を開放し楽しんでいく様との同居が、矛盾しつつも不思議と映画の雰囲気を明るくしているのかもしれません。
テルマ&ルイーズはフェミニズム映画なのか?
『テルマ&ルイーズ』はフェミニズム映画とよく言われたりしますね。個人的にはそこまでフェミニズムをテーマに撮られた映画だとは思いませんが、女性が謳歌し、やりたい放題に生きるストーリーはこれまであまりなかったので、そう言われるのも分からなくもないです。
実際、腕力に物を言わすステレオタイプな頭の悪い男たちに対し、銃を振り回して気持ちいいくらいに対抗してみせますからね。そういうところは、男性目線でもスカッとして気持ちがいいです。
また、『テルマ&ルイーズ』をレズビアン映画と言われることもあるようですが、これはこの映画のモデルとなった2人がレズビアンカップルだったからであって、映画の二人はそうではないと思います。状況がふたりの絆をより深めていったのであり、感覚的に友人同士というかもはや戦友と言うか。感極まってキスしたりしますけどね。見る人によっては違うのかな?
テルマ&ルイーズのキャスト
テルマ&ルイーズに出演の主なキャストの紹介です。
ルイーズ:スーザン・サランドン
テルマ:ジーナ・デイヴィス
ハル・スローコム警部:ハーヴェイ・カイテル
ジミー(ルイーズの恋人):マイケル・マドセン
ダリル(テルマの夫):クリストファー・マクドナルド
J.D.(ヒッチハイカー):ブラッド・ピット
ハーラン(バーの店員):ティモシー・カーハート
【ネタバレ】実はブラピが出演しています(笑)
気付きましたか?実は若かりし頃のブラッド・ピットがヒッチハイカーのJ.D.という役で出演しているのです。この映画の頃、まだブラピは駆け出しで、実はこの役のオーディションにも落ちているそうです。J.D.役はウィリアム・ボールドウィンが演じるはずでしたが、『バックドラフト』の撮影と重なったがために、この役を降り、繰り上げでブラピがJ.D.役に付けました。
でもこの映画でブラピは世間の注目を浴び、ここから一気に人気が上がり、彼にとって『テルマ&ルイーズ』は出世作なのです。
まだ無名時代のブラピの姿も必見ですよ!
気になるテルマ&ルイーズのラストシーン【ネタバレあり】
まだこの映画を見ていない人で、ラストシーンを知りたくないという人は、ここから先は読まないでください。ネタバレを含みますので。
いいですか?
さて、『テルマ&ルイーズ』というと、やはり話題に上がるのがラストシーンでしょう。
あの最後のシーンをどう捉えるかによりますが、映画の明るい雰囲気から行くと、ポジティブに捉える人が多そうです。実際はまぁ、崖から飛び降りるわけですが。
アンラッキーなことが起きたとはいえ、人を撃ち殺してしまったわけですから、逃げたところで最後は捕まるわけで。最後まで自分たちの意思を尊重し、前向きに人生を終わらせるという自由を選んだということなんでしょうね。
まとめと感想
既に30年近く前の映画ですが、感覚的にはそう古い感じがしません。
パトカーに追われるラストシーンとか、『バニシング・ポイント』にも通じるアメリカンシネマ感がありますが、ネガティブな暗さはないです。
まぁ、ラストシーンの切なさは残りますけどね(笑)。
とてもいい映画だと思いますので、まだ見たことのない人はVODなどで探してぜひ観てみてください。アメ車のオープンカーで広いアメリカをかっ飛ばしたり、ミュージックビデオのようなカッコいいシーンも満載です。
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