エイベックス松浦勝人社長が豪邸を捨て1LDKに引っ越した理由と令和という時代

※広告を含みます
※広告を含みます

エイベックスの社長である松浦勝人氏が豪邸を引き払い、1LDKに引っ越したそうだ。そしていま、その1LDKでの暮らしがとても心地よいと感じているとのこと。なぜこのような心境の変化が起きたのか。これはある意味、これからの時代を表しているトピックではないかと考える。

所有欲と幻想

エイベックスと聞くと、誰もがイケイケの音楽会社を思い浮かべるだろう。ユーロビートの波と共に世に現れ、小室哲哉や浜崎あゆみ、倖田來未などのビッグアーティストを排出し、ミリオンセラーをいくつも生み出してきた。そんな会社を経営する代表の松浦勝人氏は、高級時計や高級車、超広い家に住むなど、当然の如き成功者的生活をこれまで堪能してきたわけだが、なんとそれら多くの高級品や豪邸、別荘などを手放し、1LDKに引っ越したそうだ。

その理由が「自分自身が求めているもの」が分かってきたから。

所有していない頃はいろいろなものに憧れ、それらを片っ端から手に入れて、それがモチベーションとなり働いてきた。しかし、そんな暮らしにも慣れたいま、必要なものとそうでないものが見えてきたのだと言う。

広い家は掃除も大変だし、光熱費はかかるし、あまりに多い部屋は、用途不明のままのものもあったり、なにより探しものが見つからず大変だった。

そんな環境から、どうせ一人で暮らすのだからと、40平米ほどの1LDKマンションに引っ越した。すると、何もかもが手に届く距離にあり、非常に快適!「これで十分」どころか「いちばんこれが使いやすい」と思うほど暮らしぶりが便利になったそうだ。

所有欲とはある種「見栄を張る」行為であって、他人に対し「優れた物」を所有しているということを示すための自己顕示欲の現れだろう。

それが今、徐々に変化の兆しを見せ始めている。

断捨離ブーム

高度成長期とともに生活が豊かになり、バブル期に突入する頃には、誰もが高級ブランドを身につけたり海外旅行に行ったりと、中流の基準が世界基準と大きくかけ離れるほど、日本の中流は豊かになった。

メディアにより購買意欲を煽られ、バブル崩壊後もブランド信仰や高級志向に縛られ、悪しき習慣から抜けきれずにいた日本があった。収入は増えずとも、幻想にとりつかれた日本人は、バブルの再来を夢見てあくせく働くもジリ貧となってきている。失われた10年は、20年となり、30年となった。

そして、日本人みんなは元気を失い、「疲弊」してしまっている。幻想を抱き努力をするも、現状は一向に変わらない日本の状況。やがて心は疲れ、メンタル的に支障を来たす者が増え、悲しい自殺者が増えた。不甲斐ない自分の人生に絶望し、自暴自棄を起こして、見知らぬ第三者を巻き添えにする人も。

しかし、平成という時代が終わりを見せ始めたころから、徐々に気付き始めてきた人たちがいる。所有の呪縛から抜け出す。そう、「断捨離」という言葉とともに。

「断捨離」や「持たない暮らし」といった、過去のしがらみ(ものだけでなく人間関係さえも)を捨て、よりシンプルに生きていく。それによりストレスからの開放を手に入れ、自分の人生を取り戻そうという考え方だ。

たしかに多くのものを溜め込み、複雑化する生活を生きると、思考力は鈍り、自分が本当に何がしたいのか、どう生きたいのかが分からなくなってくる。なのでここで一旦リセットをしようというのだ。

いっぱいだった空間に隙間ができてくると、考える余裕が生まれる。そうして明晰になった頭脳をもって、自分はこれからどう生きようかと考え直す。すると、ダウンシフトが可能だと気づいたり、仕事や人間関係、住む場所の選択肢が増え、より自由度が増すことに気づけてくる。

何かを捨てることで、自由を手に入れたのだ。

自由とは可能性だ。

そうなると、未来に対する明るい希望も湧いてくる。

物より経験を

物を減らすことで、ランニングコストが減り、その分を余計に稼ぐ必要もなくなると、時間や金銭的な余裕が生まれる。

この時間と金銭的余裕を、これまでとは異なり、物ではなく経験に使っていこうと、考え方をシフトしてみる。

新しい何かを学ぶ。もう一度何かを学び直すといった学習に費やしたり、行ってみたかった場所、やってみたかったことにチャレンジをしたり。収入条件を理由に諦めていた仕事にだってチャレンジできる。それらを行動に移すことで、また新たなビジョンが湧いてくる。

拡大化し複雑化してきた平成までの生き方は、令和の早い段階でパラダイムシフトが現実化するだろう。既にその予兆は見え始めている。働き方改革、人生100年時代、副業・複業時代、終身雇用の崩壊など。そうした「これまでとは異なる変化」を乗り越えていくためのキーワードとなるのが、「シンプルな暮らし」だったり「断捨離」や「ダウンシフト」などの真のスローライフにつながるものなのだ。

まず身の回りのものを減らし、思考の隙間を作る。そしてもう一度、これからの自分の人生について考えてみる。

人生は自分らしく楽しく生きていくためにあるのだ。

気づいている人は、人生をシンプルにするための行動を、もう始めている。

コメント

タイトルとURLをコピーしました